今月もたくさんの事例
9月一番印象に残ったケースをご紹介します。
◇脳梗塞後遺症 右半身麻痺
◇50代男性
◇病歴5年
医療通訳者さんからの紹介でした。
治療する前に彼は頻りに訴えました。
『センセ、何してもいいから、どんなことしてもいいから、強く、強く、強い刺激して欲しい。強くしても、感じないから、ね、おねがい、強くね!』
これ、分かる?
これ、感じる?
ここは?
ってな具合に、私は彼にベーシックな部位を刺激してみたけど、彼の訴え通り、手も、足も、背面も、なにも感じてくれませんでした。大病院のお医者さん達にも”一生治らない”と言われたそうです。
私は過去に、脳梗塞発症数年経過でも、鍼治療で回復へ導けた経験もあるし、今、また更に経験も積んできた自信があったので、ベーシックでない、アドバンスな部位や、方向に刺激を与えてみました。
ここは?これはどう?
分かる?なにか、感じる?
10人の脳梗塞の患者さんがいたら、当然だけど10人とも違う。脳梗塞に限らないけど、だから新患さんには毎回取捨選択で、これは?ここは?こうしたら?こうすると?って探り探り進めていきます。
右半身麻痺だから、身体の真ん中、正中線から右半分の感覚がない。彼曰く、左の睾丸は分かるけど、右は分からないと。口内も、排泄時、排尿時も、右半分は分からないって教えてくれました。(※例外あり)
『痛いっ!!』
『センセ!そこ、痛い!』
『痛いよ!センセー!!感じるよー!!』
ある部位(下記記載)を刺激すると、宝くじでも当たったかのように、目を丸くして、驚きビックリ嬉し顔で、教えてくれました。私もビックリです。
※例外もあります!
※脳梗塞者全員同じではありません!
【右半身が麻痺してる】
・右大胸筋鎖骨部下
・右烏口突起下
・マックバーネー点
・モンロー点
・盲腸付近
・足裏 内側アーチ部
彼の顔を見たら、瞳から雫が流れそうだった。痛みの涙でなく、喜びの涙、、、。
まだまだ仮説で、これから検証していく治療になるけど、この瞬間、彼の5年間閉ざされていた扉の取っ手を、一緒に握ることができた。
多くの患者さんは痛みを取って欲しいと願うが、今回のケースは【痛みに感謝】となる。痛みを感じれること、それは、最幸なことなのかもしれない。痛いって素晴らしい。
Sunskytherapy
サンスカイセラピー
太陽のように美しく照りかがやき
空のように全てを包み込む
セラピストになっていっている。
【曼珠沙華】
痛いっ!って嬉しいこと!痛いって感動すること!#463
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